示談交渉について
示談とは
刑事事件の示談交渉は、加害者側と被害者側が話合いで争い事を解決することです。当事者同士で話し合うこともありますし、弁護士が代理人となって話し合いを進めることもあります。また被害者側、加害者側で弁護士がついて交渉をすることもあります。
弁護士の示談交渉
弁護士に示談の交渉をお願いするかは、当事者の考え方次第です。弁護士が示談を交渉する際、依頼者である本人は、示談の現場に同席することは必要ありません。示談が成立した場合の示談書のサインも弁護士のサインになり、記入される住所も弁護士事務所の住所になり、当事者の個人情報は守られます。直接の交渉は専門家である弁護士にご依頼することをお勧めします。
弁護士に示談交渉を任せるメリット
①被害者の連絡先を入手することも可能です。
②交渉のプロである弁護士が示談交渉するため成功率が向上します。
③誤った示談書を作成しません。
④示談だしょの差癖から示談書の提出(証拠として提出する)まで一任できます。
示談の対象となる犯罪とは
暴行や傷害罪などの粗暴犯,強姦,強制わいせつ,痴漢などの性犯罪,窃盗や詐欺罪,横領罪などの財産罪などがそうです。
示談のメリットについて
示談をする目的は、一つには、誠意ある謝罪及び被害弁償を尽くして、被害の回復を図ることです。したがって、示談を申し込んでくるということは、少なくとも加害者が自分の非を認め、形ある誠意を見せる姿勢があることを意味します。
もう一つの目的は、刑事処分(起訴or不起訴)や量刑(実刑or執行猶予、禁錮・懲役の長さ等)を軽くすることです。
示談は、被害者自身が加害者を許したこと、被害感情が一定程度和らいだことを表すものなので、加害者の処遇を決める上で最も評価される事情といっても過言ではありません。
例えば、比較的軽微な犯罪で、起訴前の段階で示談が成立すれば、不起訴(起訴猶予)となる可能性が非常に高くなります。
特に、器物損壊罪や強制わいせつ罪のような親告罪(告訴がないと起訴できない犯罪)についていえば、示談が成立して被害者が告訴を取り下げれば、必ず不起訴になります。
不起訴になるということは、前科が付くのを免れることを意味するので、加害者にとってとても重要です。
また、起訴されて刑事裁判にかけられた場合でも、被害者と示談を成立させることで、執行猶予判決になる可能性が高まりますし、実刑になる場合でも、示談が考慮されて刑の期間が短くなります。
さらに、示談には、民事上の権利義務関係も清算する意味合いがあります。
示談書には通常、「本示談書記載のほか、本件に関し一切の債権債務関係が存しないことを相互に確認する」といった清算条項が付されますので、示談が成立すれば、もう示談金以上の金額をあとで請求されることは無くなります。
このように、示談は、自らの犯した罪について、刑事・民事の両面を一挙に解決する手段です。
そのため、加害者にとって、示談できるか否かはとても重要な意味をもちます。
示談金の相場目安について
暴行罪
10~30万円程度
傷害罪
10~100万円程度
窃盗罪(被害額が少額の場合)
被害額程度~+20万円程度
詐欺罪・横領罪・恐喝罪(被害額が少額の場合)
被害額程度~+20万円程度
強盗罪(被害額が少額の場合)
被害額程度~+50万円程度
強姦罪
100万円~200万円程度
数10万円ということもあれば,500万円を超すこともあります。
痴漢(迷惑条例違反・強制わいせつ罪)
10万円~30万円程度
内容によっては100万円を超すこともあります。
自動車運転過失致死傷罪・危険運転過失致死傷罪
示談金の平均的な相場というものはありません。被害者の受けた傷害・後遺障害・死亡という結果について,民事上の責任が算定されるからです。自動車保険の任意保険が適用される場合は,保険会社から保険金が被害者に支払われます。なお,飲酒運転や無免許運転などにより,自動車保険の免責条項に該当する場合は保険が適用になりません。他の財産から賠償できないと,処分(刑)は一気に重くなります。
2017/12/12