①重罪ではない
例えば、殺人のように重大犯罪を犯した人物が保釈金を払って保釈されてしまうとそのまま逃走してしまう可能性は非常に大きいですし、社会的にも理解を得られません。ここで言う、重罪とは「死刑・無期懲役又は、法定刑の刑期の下限が1年以上の懲役・禁固刑」とされています。
②過去に長期の懲役・禁固刑を受けていない
過去に比較的重い罪を犯した人物も、次の罪で重い判決を受ける可能性がありますので、やはり逃亡の恐れは大きいといえます。そのためこの場合も権利保釈は認められません。ここで言う長期の刑とは、法定刑の上限が10年以上の刑です。(例えば、長期10年以下の懲役である窃盗罪や詐欺罪など)
③常習性がない
同じ罪を2回以上犯す、常習犯も、同様に重い判決を受ける可能性があるうえ、身柄解放中に発覚していない余罪の証拠隠滅をはかる可能性もあります。そのため、この場合も権利保釈は認められません。法定刑の上限3年以上の罪が2回目以降の場合、こちらが当てはまります。
④証拠隠滅のおそれがない
上記のほか、起訴された罪について保釈中に証拠を隠滅されることは回避しなければなりません。例えば、被告人が否認をしている、反省していない、余罪が覗われるとそれに当てはまるでしょう。
⑤被害者や証人に危害を与えるおそれがない
同じく、保釈したことで刑事告訴した人物や不利な証言をするであろう人物に、脅迫や暴行、殺害などのいわゆる「お礼参り」をするおそれがある場合も、保釈は認められません。同じく、被告人が否認していたり、反省していない場合が当てはまります。
⑥氏名と住所が明らかである
氏名や住所が不定だと、保釈金を預かったからといっても逃亡されてしまう恐れがあります。また、住所が不定の場合、裁判に召集する書類を送る事もできませんので、保釈が認められていません。